黒谷和紙の超オーソドックスな紙で一点ものの魅力を

創る和紙職人 ハタノワタル

京もの認定工芸師 創る和紙職人

ハタノ ワタル さん

住所 : 京都府綾部市篠田町下岡21

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HP : 創る和紙職人ハタノワタル
ブログ : 創る和紙職人
Youtube :
黒谷和紙 : 創る和紙職人 ハタノワタル さん

ホームページとブログで和紙の魅力を積極的に紹介されているハタノワタルさん。

美術大学を卒業した経験を生かして、店舗や家屋の内装用の手漉き和紙を施工まで一貫して請け負っていらっしゃいます。今までに何度も展覧会を開催し、エンドユーザーと積極的に交流している職人さんです。

2010年9月15日に滝道生と中村聡がハタノさんの仕事場にお邪魔して、和紙を漉いて生活されているその様子についてざっくばらんにお話しを伺ってきました。

やっぱり僕ら若手がちゃんとしないと(笑)

創る和紙職人 ハタノワタル
ハタノさんはこちらのお生まれなんですか?
ハタノ 淡路島なんですよ。
淡路島!? ご縁があってこちらに。
ハタノ そうですね。黒谷和紙が好きで。
何かのきっかけでここに来たときに「これだ!」みたいに。
ハタノ その前に紙を使うとったんですよ。東京に小津和紙さんってあるじゃないですか。あそこで日本で一番強い紙をくれって言ったら。
元々は画家でいらっしゃるんですよね。
ハタノ そうそう、美大生。それで黒谷和紙と出合って、それを持って絵を描いていたのですけれど、それから紙漉きに転向したと。
話は変わりますけど、越前の人が全国の紙屋さんを紹介するというのは面白いですよね。
そうですか。
ハタノ よその地域の宣伝みたいなことって、ほぼ言わないじゃないですか?特に年配の方々とかは。僕らの年代の人達はそれなりに地域間の交流があって、「何かしようぜ!」みたいな雰囲気で、原料確保とか販売店をどうしようとかの話をすることもあるんですけど…。
それと、和紙が好きな人って、あくまで「和紙が好き」なわけで、「どこどこの和紙が好き」っていう人って滅多にいないですよ。(笑)越前和紙が好きな人も…、
和紙好きなだけですからね(笑)
ハタノ 和紙という大まかなところで好きで、そのきっかけで例えば僕のところに注文してこられて、雁皮紙みたいな紙を漉いてくれっ!てなると製法上の問題で漉けない。
で、それをそのままお客さんに伝えたとしたら、お客さんにとっては「はい、さようなら」という感じで、そこで絶たれてしまうわけですよ。

内装の紙を漉いてくれっ!て、例えば僕が東京で聞かれた時に、自分が京都に住んでいる事情を考えるとちょっとやれないとなる。そんならその人は「手漉き和紙で内装は無理なのかー…」というようになって機械漉きのものにしようかなと思ったり。それって職人さんを振り分ければ作れるチャンスなのに、それで終わってしまうやないですか。それってやっぱり、もったいないですよ。せっかく漉くことができる人は全国にいるのに。どこどこの誰々のところに行けば、こんな紙があると。これでやってくれたらできますよというネットワークがないといけないと思うんですよね。

情報の交通整理がないということなんですね。
和紙のテーブル
和紙のテーブル
ハタノ それをやっぱり年配の人に任せても(笑)電話でやり取りしたり…、FAXすら使わない世代ですからね。電話しても物忘れしていたり(笑)その点、我々の世代はインターネットでやり取りしながらネットワークを作れると思うんですよね。
例えば原料がこれだけ余っているけど誰か使ってくれへん?とかね。そういうのが連絡で来たりしてね。やっぱり紙漉きは貧乏やからね。
生活はどうしても厳しいと。
城崎温泉木屋町小路の-m-mの外壁
城崎温泉木屋町小路の25m×5mの外壁
ハタノ 生活は厳しいですよね。基本的に産地でやっているところって、アレやないですか。例えば組合の経営が危なかったらお客さんからお金を集める方法を考えるのが商売やないですか。だけど、そうじゃない部分が多くて、逆に組合員である職人さんにシワ寄せが来るっていう…。ずーっと搾取されている。○○協同組合と○○農家の関係のようにね。だから後継者がいないんですね。その流れ自体を何とかしないと。

例えば市兵衛さんの紙が高いなと言っているところに、僕がお客さんに言われたときに「あれは、ああやって作っているから高いのは当然ですよ」と。僕の紙が高いと。どこどこの紙より高いと言われた時に「あれは、ああやって作っているから高いのは当然ですよ」と言えるみたいな。それ、凄く奇麗ごとの世界のようなんだけれども、そういうものがあれば割と原料確保もしやすくなるし、原料屋さんにも応えることもできると思うんですよね。

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