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    紅型って?

 紅型
 それは
 海の色や山の色、草木の色、空の色
 沖縄の鮮やかないろどりを表現した染色技法・・・

と言われても、ピンと来ない方も多いと思います。

一般的には、上の写真のように鮮やかな色を使った沖縄伝統の染色のこと。

沖縄には四季がないためか、柄の多くにはほとんど季節感がありません。
極端なことを言えば、梅の花と朝顔が一緒に描かれていてもオッケー!

その昔、アジア諸国との交易が盛んだった琉球。

琉球人のおおらかさと柔軟性でチャンプル(混ぜ合わせ)され、
鮮やかで独特な染め物になっていったのではないか!?

と個人的には思っています。

また、太陽光による退色を防ぐために「顔料」を採用したという説は亜熱帯地方の
沖縄ならではですね。

紅型の特徴、それは・・・

  ・着物の染めには「染料」を使う事が多いが、紅型では「顔料」を使う。

  ・「突き彫り」という方法で型彫りする。

  ・色付けをした後、さらに少し濃い色で隈取を挿す。

  ・型の上から染色するのではなく、糊で防染した生地に染色していく。

紅型のあり方が多様化した現在。
他にも特徴はあると思いますが、主な共通点はこんな感じだと思います。

紅型が好きで好きでたまらないので
紅型の工程を一通りやってみました。

ということで、タキペーパーダイレクトのスタッフ・伊藤の経験と主観をもとに

作業工程をご紹介します。

1. 型彫り 〜型紙をつくる〜

まず図案を起こします。

紅型の古典柄を参考にすると、画力ほぼゼロの私でも図案ができます。

刃を上に向け、ちょっとずつ突くようにして上の方へ彫っていくのです。

時間はもの凄くかかりますし、慣れないと難しい。

でも、引き彫りには出せない、柔らかい表情の線になるそうです。
 

ちなみに、専門にされている方は、紅型で必要な道具を自分で作ります。

小刀は自分の彫りやすい形に削り、さらに鋭く研ぎます。

型彫りの下敷き「ルクジュー」は、なんと「豆腐」を乾燥させたもの!

適度な油分があって、小刀の持ちも良いそうです。

2. 紗張り(しゃばり) 〜紗を張る〜

 
「でしゃばり」ではないです…(チーン)
 

時間をかけて模様を切り抜いた型紙。

そこへ、細かい網目の「紗」を貼り付けます。

黒くてドロっとした「カシュー」をシンナーで薄めたもので接着。

それぞれが揮発性特有の「イイ匂い」なので、屋外で作業を行いました。

ちなみに、昔は漆を使っていたそうです。
 

紗張りができたら、「つり」を切り落とし、宙に浮く模様のできあがり。

紗張りをする事で型紙の強度が増し、何度水につけても何年も繰り返し使えます。
 

3.型置き(かたおき)

色を染めたくない部分を糊でマスキングします。

布の上の型紙を置き、糊をヘラで均一にのばしていきます。

糊はもち米、ぬか、塩、グリセリンなどを混ぜ合わせたもの。

型紙をゆっくり剥がすと、生地には糊で型の模様ができています。

写真でいうと、色の濃いところが糊付けされたところ。
 

いよいよ染物するぞー、という感じになってきました。

4.地入れ(豆引き)

型置きした生地に、水で薄めた大豆の絞り汁を刷毛で引きます。

大豆のタンパク成分で顔料の定着を促し、同時ににじみを防ぐそうです。

5.色挿し(いろさし)

糊のついていないところを一色一色、筆で染め分けていきます。

糊のある部分は防染されているので、多少はみ出しても大丈夫。
 
何度塗り重ねたとしても、しっかり顔料を生地にこすり付けないことには発色がよくなりません。
 
しっかり、丁寧に染めるのです。

6.隈取り(くまどり)

隈取りで柄全体がグッと引きしまります。

色挿しの終わった柄に、濃い目の顔料でアクセントをつけ、立体感を出します。

こちらもまた、美しくぼかすのが難しいです。

 
筆にはコシのある若い女性の髪を加工した筆を使用します。

でも、いくら若い娘さんの髪とは言え、染色や脱色した髪はコシがなくて使えないそう。

7.水元(みずもと)

隈取りが終わったら、顔料を定着させるため2〜3日放置します。

さらに生地の裏からアイロンを当てます。

ちなみに、着物の場合は、色を定着させるために生地を蒸します。

 
その後、お湯に何時間か浸し、糊と余分な顔料をふやかして落とします。

これが水元。

生地と生地が擦れ合わないよう、糊が残らないよう、慎重に。

糊が剥がれると同時に、紅型の出来がここで初めて分かります。

8. 完成!

乾燥させてアイロンをちゃーっと当てれば完成!

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