100%芭蕉紙~糸芭蕉のいのちを全て生かしたい~ 2/5

 染織工房 バナナネシア

 福島泰宏 さん・福島律子 さん
 ふくしまやすひろ   ふくしまりつこ

 住所 : 沖縄県中頭郡読谷村

 HP : 染色工房 バナナネシア

 Youtube : 沖縄:芭蕉紙 バナナネシア

芭蕉布の原料栽培から織り、染めまで全工程を自ら手がける「染織工房バナナネシア」さん。
ご主人の福島泰宏さんは糸芭蕉の栽培と芭蕉布の製作、奥様の律子さんは紅型(びんがた)染をされています。
そんなお2人が10年前から新たに手がけているのが「100%芭蕉紙」。
2011年10月下旬、お2人の工房にお邪魔し芭蕉、沖縄、伝統工芸など多岐にわたるお話を伺ってきました。

芭蕉と紅型(びんがた)

色挿し、隈取の色によって雰囲気が異なるのも紅型の面白さ。

  ここをクリックすると、紅型の説明ページになります
   
伊藤 紅型は型が同じでも、挿す色を変えるだけでがらりと雰囲気が変わりますね。
律子 そうそう。私も同じ型で染めているけど、季節やお天気なんかによって挿す色は替わります。そこがまたいいの。
伊藤 移住された当時、紅型はされていたんですか?
律子 移住当時はまだですね。
紅型を始めたのは10年くらい前。有名な紅型工房の先生にカルチャーセンターで教わったんです。「もうちょっとやりたいな」と思って次に別の先生に教わって、そこでは型彫りから、紗張り、色の配合も教えてもらって。それからしばらくしてハガキに染め始めたんですよ。その時はカルチャーセンターで教わった先生にも聞きに行ったりして。
そして2年くらい前に工芸指導所へ1年間通って一通りマスターしたという感じです。それでまた安心してモノが作れるようになったんです。
芭蕉紙に紅型を施す。色挿しをしているところ。 
伊藤 実は、紙に紅型が挿せると思ってなかったんです。水元(お湯につけて糊を落とす作業)の時に紙が溶けるんじゃないかと心配で。紅型の指導所では紙に挿すこともあるんですか?
律子 指導所でもありますよ。官製はがきも結構丈夫なんです。さすがに芭蕉紙はいなかったけど、月桃紙に挿す人は多かったですね。
伊藤 芭蕉紙と布地では、紅型を挿す時何か違いますか?
律子 自分の場合は布に挿す時とやり方を変えてます。本来、隈取(紅型の大きな特徴で、色挿しの終わった柄に濃い色でアクセントをつけ、立体感を出す)の筆は女性の髪で作った物が最高なんですけど、紙だと腰が強すぎて毛羽立っちゃうんです。だから敢えて柔らかい毛でやってます。仕上げの水元は気にすることないですよ。お湯の中で「ふぁーっ」と糊が取れていきますから。繊維が粗いと、繊維自体が剥がれた時に色まで落ちるので、そこは気をつけています。
伊藤 最近は芭蕉布にも紅型を挿していらっしゃるとか。
泰宏 それが一番の望みです。僕としても僕が芭蕉布を作ってそれに染めてもらえたら一番いいので。できれば県内の紅型の人に買ってもらいたいという想いがあるんです。
律子 モノとしてはすごくマッチしていて、芭蕉布に紅型は最高にいい感じに仕上がるんです。でも芭蕉布は高価というのもあって。でも「芭蕉布に染めた帯がほしい」というような要望はあると思うんですよ。
伊藤 紅型に携わる方で、芭蕉布に踏み出す方があまりいらっしゃらないんですね。
泰宏 紅型の高い技術を持っている人なら、良質な素材にその技術を使ってほしいんですよ。
律子 もったいないですよ、上手な人が織りムラのあるような麻布に染めているのを見ると。これが芭蕉ならもっといいのにと思うんですよ。私たちももっと宣伝しないといけないんです。私が芭蕉布に紅型を挿していたら、他の人も触発されて使うかな、なんて思ってやっています(笑)
  ここをクリックすると、紅型の説明ページになります

スタッフ伊藤の”はいたーい、沖縄!” 2/4

スタッフ伊藤が「バナナネシアさん」に辿り着くまでのきっかけ(?)を書いてみようと思います。

 

沖縄の花笠をかぶった漢方パンダ。
「なんくるないさ(なんとかなるさ)」
の台詞が似合う!

2001年、沖縄に来た目的はお仕事でしたが・・・

 

精神的に強度のストレスがかかる職業。

予定の期間を過ぎても帰省できず、一時帰省の費用も惜しいほどの懐事情。

 

仲間たちがそれぞれ、生活への不安や不満を募らせていた日々。

 

そんな生活をしのげたのは、ウチナーンチュ(沖縄県人)の同僚や沖縄の雰囲気のおかげでした。 

 

新原(みーばる)ビーチへ抜ける小径。
ここは本島でも珍しい天然のビーチ。

地元の同僚が「気分転換に」と連れ出してくれた海辺や夜の街は、楽しい思い出とともに目に焼きついてゆきました。

  

朝まで続く飲み会で、ウチナーグチ(沖縄の方言)とシマー(島酒=泡盛)の味をちょっぴり覚えました。

 

 

 

 

地域の青年団が踊るエイサー(旧盆に祖先の霊を送迎するための伝統舞踊)には、心底ヤラレました。

 

 

躍動感あふれる踊りと打ち鳴らされる太鼓のリズムはとにかくカッコいい!

 

舞う人、見る人、あの世から帰ってきているご先祖様。

そこに居合わせた人達のワクワクした気持ちが一体感を持つような、不思議な感覚を覚えました。

  

※左の写真をクリックすると動画がご覧頂けます

 

強烈なピンク色ですが、もちろん食べられます。
結納の時のお使い物だとか。

旧盆や暮れには、スーパーや市場に珍しい商品が並び、見ているだけでも楽しい。

 

由来を聞けばさらに興味をかきたてられました。

 

 

そんなこんなで、沖縄で知り合った人々や文化は大好きになったものの、仕事絡みの不自由さから鬱屈した気持ちで大半を過ごしていたのも事実。

 

奥武島の中本鮮魚店はてんぷらで有名!
沖縄のてんぷらはフリッターに近い食感です。

そんな日々を7ヵ月間過ごし、なんとか無事に福井へ戻る日を迎えました。

 

帰りの飛行機では“魚のてんぷら”をほおばりながら、「沖縄は好きになったけど、もう仕事では来たくないよーーー」と決意を新たにしたのでありました。

 

 (続く)

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