100%芭蕉紙~糸芭蕉のいのちを全て生かしたい~ 1/5

  染織工房 バナナネシア

 福島泰宏 さん・福島律子 さん
 ふくしまやすひろ   ふくしまりつこ

 住所 : 沖縄県中頭郡読谷村

 HP : 染織工房 バナナネシア

 Youtube : 沖縄:芭蕉紙 バナナネシア

 

芭蕉布の原料栽培から織り、染めまで全工程を自ら手がける「染織工房バナナネシア」さん。
ご主人の福島泰宏さんは糸芭蕉の栽培と芭蕉布の製作、奥様の律子さんは紅型(びんがた)染をされています。
そんなお2人が10年前から新たに手がけているのが「100%芭蕉紙」。
2011年10月下旬、お2人の工房にお邪魔し芭蕉、沖縄、伝統工芸など多岐にわたるお話を伺ってきました。

「男の人はやったことないよ」最初は断られた芭蕉布修行

 泰宏さんの織った芭蕉布。さらっとした手触りと自然な色合いは品がありとても涼やか。 
伊藤 沖縄へはお2人で移住されたんですか?
泰宏 そうそう。結婚してすぐ大宜味村に来たんです。移住する1年前から空き家を探して。
伊藤 ご出身はどちらでしたっけ?
泰宏 私は埼玉です。
律子 私は宮崎。主人とは東京で出会いました。
伊藤 26年前、芭蕉布の生産として有名な沖縄県大宜味村に移住されたのですが、なぜ芭蕉布づくりの道へ進もうと思われたんですか?
泰宏 もともと琉球の伝統工芸に興味を持っていて、住みたいなぁと思っていたんです。
そのためには仕事をしなきゃと。そんな中で芭蕉布に目がとまりました。
一つの集落で最初の工程から最後の工程まで完結している。そういう生活に密着して仕事している所に魅力を感じて、「この仕事いいな」と思いました。
最初は断られたんです。「男の人は芭蕉布やったことないよ」って。
でも、後継者育成事業は受けられなくても、地域の年配の方に教わればいいと思っていたので、そのまま地域の方に教わりました。
伊藤 それで、平良敏子さん(※1)ともご縁ができたんですね。ちなみに、糸芭蕉の収穫時期はいつごろですか?
泰宏 基本的には年中取れますよ。でも刈り取りには冬が適してます。4~8月は成長時期だから。
 チング巻き状態の芭蕉の糸(手前)と糸枠(奥) 
伊藤 糸紡ぎにはどれくらいの時間を割いていらっしゃるんですか?
泰宏 1年のうち7割は糸を紡いでる。
伊藤 7割も!!お正月も休まずにお仕事をされているという事ですが…
泰宏 最近はもうお正月はないよね(笑)
律子 お正月は行くところもないし、お家にいるし、みたいな(笑)
泰宏 芭蕉布以外の仕事も入ってきてるからね。
律子 パリコレの三宅一生さんに生地提供させてもらったり。
泰宏 他にも(新しい仕事の予定が)あるんだけど、今はまだ内緒という事で(笑)
伊藤 じゃあ今後の展開を楽しみにしています(笑)

 糸芭蕉の実。食用バナナ(実芭蕉)の実と、味も形も似ているが、
大きな種が沢山入っていて食べにくい。

※1 平良敏子(たいらとしこ)氏。人間国宝。沖縄県大宜味(おおぎみ)村喜如嘉(きじょか)生まれ。戦争で途絶えた芭蕉布の技法復興に力をつくし、その普及に努めてきた。琉球王朝時代の意匠や染め織りの要素を取り込むなど、今もなお、芭蕉布の新たな可能性を追求している。

スタッフ伊藤の”はいたーい、沖縄!” 1/4

 

スタッフ伊藤が「バナナネシアさん」にたどり着くまでのきっかけ(?)を書いてみようと思います。

 

屋根の上のシーサーやっさー

話は遡ること2001年。

私は3ヶ月の沖縄研修が条件の某企業で就職面接を受けていました。
時は連続ドラマ「ちゅらさん」を放映中の沖縄ブーム真っ只中。 

しかし、私にとっては沖縄行きがネックでした。 

 

更に遡ること1994年。

沖縄ブームにちょっぴり火がつき始めた頃、友人達と沖縄旅行に出かけたのですが・・・

季節は2月。沖縄の風が冷たいとはつゆ知らず、南国なのに青い空にも恵まれませんでした。

しかも、お巡りさんの厄介になるトラブルに2回も見舞われるというおまけ付き。

残念感が色濃く漂う青春旅行。

 

そんな苦い思い出と、「いざという時歩いて帰れないじゃないか!」という超後ろ向きな理由から、当時沖縄行きに関してナーバスになっていました。

でも、入れるものならこの会社に入りたい。

 

飛びます!

その後無事(?)採用され、「なるようになりやがれいっ」という勢いで、夏真っ盛りの沖縄へ旅立ったのでした。

 

ザッツ南国!携帯カメラでもこの鮮やかさ!!

季節は7月中旬。

 

 

那覇に降り立った瞬間、青い空の広がる、南国特有の鮮やかな色彩が目に飛び込んできました。
今度こそ、南国のイメージそのものの「沖縄」が目の前に広がっていたのです。

 

最初の数週間は観光客気分で、観光地めぐり、海水浴、ショッピングと、「沖縄」を楽しみました。

 

しかし、人生そんなに甘くはないのが世の常ヒトノツネ…

 

(続く)

 

 

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