黒谷和紙の超オーソドックスな紙で一点ものの魅力を

創る和紙職人 ハタノワタル

京もの認定工芸師 創る和紙職人

ハタノ ワタル さん

住所 : 京都府綾部市篠田町下岡21

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HP : 創る和紙職人ハタノワタル
ブログ : 創る和紙職人
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黒谷和紙 : 創る和紙職人 ハタノワタル さん

ホームページとブログで和紙の魅力を積極的に紹介されているハタノワタルさん。

美術大学を卒業した経験を生かして、店舗や家屋の内装用の手漉き和紙を施工まで一貫して請け負っていらっしゃいます。今までに何度も展覧会を開催し、エンドユーザーと積極的に交流している職人さんです。

2010年9月15日に滝道生と中村聡がハタノさんの仕事場にお邪魔して、和紙を漉いて生活されているその様子についてざっくばらんにお話しを伺ってきました。

超オーソドックスな紙で一点ものの魅力を

創る和紙職人 ハタノワタル
ハタノ 滝さんはおいくつですか?
僕、37です。
ハタノ それじゃ変わらないですね。僕らの世代は38なんですよ。その世代が次、次の世代が違う和紙の形を作らなきゃ。も~う今の形はアカンでしょう。そう思うているんですよ。

美濃の長谷川さんなんかは情報をオープンにしろ、情報をオープンにしろとずっと言い続けているんですよ。やっぱりそうかなと思いますよ。

中村 ある程度情報をシェアしないといけなくなってきている状況ということなんですかね。
ハタノ そうそう。誰が儲かる儲からんとかではなくて、全体を底上げせんと。お客さんはおらんようになってしまう。お客さんの取り合いになってしまう。なんか、そうじゃないというか。
中村 インターネットが普及したことでグローバル化というのが凄い進んじゃったじゃないですか。だけど、そっちばかりに目が行っているけど、グローバル化と同時にローカル化が進んでいると思うんですよ。だからそのローカル化というのを武器にしたところが勝ちだと思っているんですよね。
ハタノ それで言うと一品ものというのは、完全にローカルになっているわけじゃないですか。これから和紙業界の人たちもそのローカル化。黒谷とかのその土地じゃないとできないものをやっていくというのが一番重要なのかなと思っているんですけど。

でもそれは多分、物が良くないと絶対無意味ですよね。そこなんですよ。そこを作らなくちゃいけないていうか。ローカルの中でローカルっぽいもんでお客さんに提供できるもんで、作れるもんって何やろうと思ったときに、アートよりな感覚をプラスさせたものが出てくるていうか。大量にも作れるし、そっちにも行ける職人が残ってくる。

いまから地方はどんどん面白くなっていきますよ。僕の好きなグラフィックデザイナーって、実は沖縄におったんですよ。この前、山口県の展覧会へ行ったら、偶然その沖縄のデザイナーさんを呼んでやってたんですよ。それは何でかというと、町のデザイナーって町のデザインの感覚すぎて、私たちが言うことを伝えてもらう時に面白くなくなる。少なくとも我々のテンションが下がるんですよ。

多分、越前もプロダクトデザイナーが入っていると思うんですけれど、多分あれって地元の人から見た時、テンション下がるんじゃないかと思うんですよ(笑)

ローカルをローカル感覚でローカル風に売れる人がやっぱり必要で、そうなったらそういった感覚をもっている人たちがローカルとローカルを繋いでいく。そうなってくるともう一回面白いことになっていく。

町中のクリエーターの人たちも、ローカルと手を結びたがっているというか。

中村 だからローカルとローカルが手を繋いでいっているネットワークってやつですよね。
ハタノ そこに何か新しいものというのが見えてきて。

今度、ギャラリーを作るんですよ。土壁のギャラリー。それは色々なところからオモロイ職人さんが集まってて。淡路島の左官屋さんと、大阪の植木屋と、和紙の僕と。そんなに感じで集まってああでもない、こうでもないって。

中村 いわゆるコラボレーションってやつですね。
ハタノ そうですね。それが凄い容易にできる時代になっているし。そこで出来上がった面白いものっていうのは、都会の人の感覚では想像できひんものができる。

何かそういう強いものというのは田舎には多い。残っているのは多いですね。京都はまた別ですけれどね。

他の都市に行って、良い仕事のできる環境というのはどんどん無くなってきている代り、人付き合いの横の繋がりのある田舎というのはそういう物が残っていて、今その技術を都会の人たちが欲しがっている気はするんです。

そこに応えますよーという形のものを提案できるっていうことは相談にいかないとできない。そうなったら一点ものの魅力を確かめたりとか。

中村 その上で最後たどり着くのはその一品物になるんですかね。それともオーソドックスなもの。
創る和紙職人 ハタノワタル
ハタノ あくまで僕がやりたいのは職人としての紙で、黒谷和紙の超オーソドックスな紙で一点ものの魅力をやり遂げられたら多分、本物になるんやろぅなと。それをやるために修行してきたと思ってるから。

それはそうですね。僕らの世代はそこまでの人が出るかなて言うたら、なかなか出ない。どんだけ漉き続けるだけの注文を持っているてゆうのはなかなかいないですし。同じ紙を。残念なことに可愛そうな世代ですね。職人て育ちにくい世代なんかな、て。

それでも自分は、超オーソドックスな紙で一点ものの魅力をやり遂げられたらと思います。

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